• "井ノ上龍生"(/)
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  1. 熊本県議会 1983-02-01
    03月05日-05号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    昭和58年 2月 定例会┌──────────────────┐│  第 五 号(三月五日)     │└──────────────────┘ 昭  和 五十八年 熊本県議会二月定例会会議録    第五号──────────────────────────昭和五十八年三月五日(土曜日)   ――――――――――――――――――――   議事日程 第五号  昭和五十八年三月五日(土曜日)午前十時開議 第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)   ――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)      ―――――――○―――――――出席議員(四十七名)                 西 岡 勝 成 君                 深 水 吉 彦 君                 阿曽田   清 君                 橋 本 太 郎 君                 松 家   博 君                 岩 下 榮 一 君                 下 川   亨 君                 林 田 幸 治 君                 三 角 保 之 君                 岩 永 米 人 君                 児 玉 文 雄 君                 山 本 秀 久 君                 古 本 太 士 君                 渡 辺 知 博 君                 八 浪 知 行 君                 杉 森 猛 夫 君                 鏡   昭 二 君                 高 田 昭二郎 君                 柴 田 徳 義 君                 広 瀬 博 美 君                 古 閑 一 夫 君                 魚 住 汎 英 君                 馬 場 三 則 君                 木 村 健 一 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 金 子 康 男 君                 荒 木   斉 君                 井 上 栄 次 君                 竹 島   勇 君                 今 井   洸 君                 米 原 賢 士 君                 井ノ上 龍 生 君                 永 田 悦 雄 君                 甲 斐 孝 行 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 小 材   学 君                 岩 崎 六 郎 君                 沼 川 洋 一 君                 水 田 伸 三 君                 今 村   来 君                 小 谷 久爾夫 君                 橋 本 盈 雄 君                 増 田 英 夫 君                 中 村   晋 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(七名)                 浜 崎 三 鶴 君                 古 閑 三 博 君                 宮 元 玄次郎 君                 池 田 定 行 君          (公務出張) 杉 村 国 夫 君                 浦 田   勝 君                 倉 重 末 喜 君    ――――――――――――――――――――説明のため出席した者         知事      細 川 護 熙 君         副知事     藤 本 伸 哉 君         出納長     松 下   勝 君         総務部長    原 田 富 夫 君         企画開発部長  岡 田 康 彦 君         福祉生活部長  常 川   清 君         衛生部長    清 田 幸 雄 君         公害部長    山 内   新 君         商工観光労働         部長      蓼 沼 朗 寿 君         農政部長    八 浪 道 雄 君         林務水産部長  伴   正 善 君         土木部長    三 原 節 郎 君         公営企業管理者 大 塚 由 成 君         教育委員会         委員長     本 田 不二郎 君         教育長     外 村 次 郎 君         警察本部長   漆 間 英 治 君         人事委員会         事務局長    道 越   温 君         監査委員    下 林 政 寅 君    ――――――――――――――――――――事務局職員出席者         事務局長    高 松 光 昌         事務局次長   花 谷   学         議事課長    小 池 敏 之         議事課長補佐  中 野 真 一         主幹      山 下 勝 朗         参事      光 永 恭 子      ―――――――○―――――――  午前十時二十八分開議 ○議長(八木繁尚君) これより本日の会議を開きます。      ―――――――○――――――― △日程第一 一般質問 ○議長(八木繁尚君) 日程に従いまして日程第一、一般質問を行います。発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は一人九十分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願いします。鏡昭二君。  〔鏡昭二君登壇〕(拍手) ◆(鏡昭二君) おはようございます。自由民主党の鏡でございます。細川知事が就任されて初めての県議会で登壇の機会を与えられましたことに対しまして、先輩議員並びに同僚議員各位に厚く御礼を申し上げます。 細川知事は「創意と実行」をキャッチフレーズに、県政を進めていく基本方針としては、八〇年代熊本県総合計画を踏まえつつ重点目標を定め、仕事は期限を設けて細心かつ大胆に進めていきたいとの公約をなされております。職員への就任あいさつでは、県民のための仕事をしている自覚、マンネリ化を排し創意工夫を、コスト意識を忘れるなと訓辞をされました。二月十六日には、早々と水俣市へ水俣病患者さんたちを訪問されるなど、若さと行動力で県政に体当たりされようとしておられます姿に接し、私は大いに共感を覚えるものであります。時あたかも国及び地方を通じて行政改革財政再建など厳しい社会環境ではありますが、執行部の皆さんが心機一転、新しい感覚とたくましい行動力細川知事のもと、県勢発展のために努力されんことを強く期待いたすものであります。 さて私は、本議会に席を与えていただきましてはや四カ年を経過し、本日が今期最後の質問でございます。過去において、青少年健全育成対策アイバンク運動の推進、木材産業振興対策、また宇土市発展に係る道路網の整備促進、平木橋のかけかえ、浜戸川の改良、漁港施設充実強化地元中小企業振興対策野菜果樹等都市近郊型農業振興対策について執行部の意見をただし、各事業の強力な推進をお願いしてまいりました。今後、宇土市のますますの発展を目指しますには地域住民自身がそれぞれの立場において住みよい豊かな郷土づくりに精出すことはもちろんでありますが、これと相まって、これまで以上に行政の力が必要であることを痛感いたしました。私は、今後においても、地元宇土市と県行政の間のかけ橋として全力を尽くして努力する所存でございます。このような意味で、本日の質問は、今期四年間の一応の締めくくりとして心を込めて行いますので、執行部各位の明快な答弁と、それに基づく施策の展開を強く要望いたすものであります。 では、通告に従いまして質問に移らせていただきます。 次代を担う青少年の健全な育成を図ることは、いかなる時代においても変わらない国家社会の責務であり、日本のそして熊本の将来を決める重要な課題であります。 近年、少年の非行は増加の一途をたどり、戦後第三のピークと言われています。その内容を見ても、非行の低年齢化、一般化の傾向が見られ、学校、家庭における反社会的暴力的な非行も急増していることは、わが国の将来を考えるときまことに憂慮にたえないものがあります。 このような状況は、少年の非行は社会を映す鏡であると言われますように、少年を取り巻くわが国の社会的条件や環境の変化によってもたらされたものであることは申すまでもありません。とりわけ、家庭におけるしつけの欠如、過度の受験競争等による教育の混迷、地域における連帯意識の欠如による非行抑制力の低下、享楽的な風潮と性意識の混乱、さらには有害情報等のはんらんなどが叫ばれていますが、これらの社会状況をつくり出したのは、まさに私たち大人の責任であると申せましょう。したがって、私たち大人は、みずからの姿勢に厳しく反省を加え、特に家庭では親として善悪の判断が正しくできるよう、しつけの教育を積極的に行い、学校においては、教師として生徒との信頼関係の確立に努め、また地域社会においては、すべての大人が少年を社会の子として厳しく指導するよう努力しなければなりません。 そこで、執行部におかれましても、県民の皆さんに対して、より一層青少年問題に関する情報を迅速かつ豊富に流し、啓発、広報を行われますとともに、県民総ぐるみ育成運動が一段と盛り上がるよう指導と支援を強化されることをお願いする次第であります。 ところで、青少年が健全に成長するためには、青少年自身がみずから誇りと自覚を持って、みずからの努力を積み上げていくことが最も肝要であります。そのため、青少年自身の創意と自主性を尊重し、伸ばすような活動の場や機会を青少年に対して提供することが青少年健全育成の基本的な大条件と考えられます。このことは、家庭教育学校教育においても必要であることはいまさら申すまでもありませんが、青少年が全人的バランスのとれた成長と発達を遂げるには、それだけでは不十分であり、地域における青少年団体活動、すなわち社会教育役割りがまことに大きいものと考えられます。 昨年八月、宮城県の南蔵王において、全国から約三万人のボーイスカウトが参集し、第八回日本ジャンボリーが開催されました。私もボーイスカウト県連盟理事長として、県下のスカウト百九十名とともに参加いたしました。大会前日、折からの台風十号の影響による暴風雨のため、天幕の倒壊や浸水等に見舞われ、多くのスカウトを預かるわれわれリーダーは大変な心配をしましたが、スカウトたちは、風雨に打たれ、ぬかるみに足を取られながら、一致協力してテントの修復や食事の準備等、敢然と自然の猛威に立ち向かい日ごろの訓練の成果を遺憾なく発揮した次第であります。 このような規律正しい協調精神にあふれたスカウトたちの行動をながめながら、私は心から感動を覚えるとともに団体活動重要性を再認識したものであります。私は、これまでの体験から、ボーイスカウトを初めとする少年団体の活動の輪が県下に拡大することによって、現在の少年の問題行動はまだまだ減少するものと確信するものであります。このような観点に立って、少年団体の育成について教育長にお尋ねをいたします。 少年団体の育成については、私たち団体指導者がみずから努力することはもちろんでありますが、行政においても青少年健全育成施策の一環として、さらに強力な支援をお願いしたいと思います。そこで、団体加入の促進と団体指導者育成確保について、現状と今後の方針をお伺いしたいと思います。  〔教育長外村次郎君登壇〕 ◎教育長外村次郎君) お答えいたします。 青少年の非行の増加は重大な問題でございまして、特に教育委員会といたしましては、これを深刻に受けとめ、責任を重く感じておるところでございます。 この青少年問題につきましては、国におきましても、社会教育審議会で一昨年五月「青少年の育成と社会教育」というテーマ、また青少年問題審議会では昨年六月に「青少年非行問題行動への対応」というテーマで、それぞれ文部大臣及び総理大臣に答申を行っておるところでございます。これらの答申を見ましても、いずれも家庭、学校及び地域社会がそれぞれの役割りを十分に発揮した上で互いに連携をとりながら対処すべきであることを指摘しておりまして、また青少年人間形成を図る上で社会教育の果たす役割り重要性に触れられておるところでございます。 この社会教育で取り組むべき課題はいろいろあるわけでございますが、ただいま御質問の中でお触れになりましたような青少年団体活動という面は、青少年の健全な育成にとりまして大変意義のあることと考えておるところでございます。もう申すまでもないところでございますけれども、少年たちが自発的に団体活動に参加いたしまして、年齢構成もいろいろ異なる友人、先輩と交わりまして、その中で年上の者に対する尊敬の心や、あるいは年下の者に対する、あるいは弱い者に対する思いやりや援助の気持ちを育てまして、また、いろいろな奉仕活動やスポーツ、レクリエーション活動に参加することの体験の中で、お互いの協力、連帯、責任の自覚といったようなことを言葉でなく体で覚え込んでいく、さらには集団の規律を守ることによりまして、みずからを抑制することを知り、意志を鍛え社会の規範を身につける場としてきわめて教育的効果が大きいものと考えておるところでございます。教育委員会でも、これらの団体活動が一層活発に行われるよう努めてまいらなければならないと思っております。 本県におきますこの団体活動の現況を若干申し上げますと、五十七年五月現在の調査で、単位団体数が二千四百五十団体、加入者数が約十一万六千人でございまして、それなりの成果は上げておりますけれども、まだまだこれは拡大していかなければならないことであろうと思っておるところでございます。 この少年団体への加入促進を図るためには、広報紙あるいはパンフレットによります情報提供、またテレビによるスポット放送などを通じまして、団体活動の意義を広く一般の方々に知っていただくというようなこと、あるいは団体の主催事業を初め団体活動への参加を、これらのメディアを通じまして呼びかけておるところでございます。 また、これらの活動を充実したものといたしますために、少年団体指導者研修あるいは年少指導者研修などの事業をいたしておりまして、育成者あるいは指導者養成確保に努めております。たとえば、先ほどお触れになりましたように、昨年八月に宮城県で開催されましたボーイスカウト日本ジャンボリー大会、あるいは先ほど二月に本県で開催されました全国子供会中央会議等、これらの事柄につきましても応分の援助を行ってまいっておるところでございます。 さらに、御承知のように、少年の野外活動宿泊研修の場といたしまして、豊野村に二番目の県立少年自然の家の建設を進めておるところでございます。これらが完成いたしますと、少年の団体活動がより一層積極的に行われるものと期待しておるところでございます。 今後とも、関係の方々、団体と一層緊密な連携をとりながら、積極的に青少年健全育成青少年団体活動の促進に取り組んでまいりたいと考えております。特に、いつも鏡議員にはこの面で非常な御援助を賜っておるところでございますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。  〔鏡昭二君登壇〕 ◆(鏡昭二君) ただいま教育長の答弁にありましたとおり、青少年を取り巻く社会環境はますます複雑かつ多様化しており、また校内暴力家庭内暴力もエスカレートしてまいっております。今後とも関係諸団体と一層緊密な連携と協力を保ちながら、青少年健全育成に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 次は、交通事故対策について警察本部長にお尋ねをいたします。 その前に、昨年暮れに交通事故の処理中に殉職されました稲葉警部補の御冥福を心からお祈り申し上げます。 さて、昨年は全国的に交通事故が多発し、特に死者につきましては六年ぶりに九千名を突破するなど、第二次交通戦争の到来を告げるような厳しい一年でございました。また、県下におきましても、年初めから死亡事故が集中的に発生したこともあって、発生件数、死者、負傷者ともに増加いたしました。その間、県警におかれましては、その防止のために、広報、安全教育活動、交通の指導取り締まり、あるいは交通規制安全施設の整備など大変御苦労があったと思います。また、運転免許行政につきましても、他県に先駆けて運転免許証の即日交付、土曜、日曜日の窓口開設、免許証の郵送、優良ドライバーに対する講習の簡素化など県民のため積極的な対応がなされ、県民の一人として感謝を申し上げる次第でございます。 ところで、本年の交通情勢でございますが、自動車保有台数原付自転車を含め百万台を超え、運転免許人口も本年中には八十万台を超えるなど車社会はますます過密化し、二輪車と四輪車との混合交通の深刻化、さらには交通流れの混迷化など交通を取り巻く環境は一段と厳しさを加えつつ推移するものと思われます。この中にあって、歩行者の約六割、また運転者の七割以上が不安感を持っていると言われ、交通事故も多発することが予想されます。 こうした情勢にあって、県警におかれては、交通死傷事故の抑止を重点としながら県民のために組織を挙げて取り組むと承っておりますが、昨年来「安全教育を茶の間に」をスローガン安全意識啓発活動、また県民運動として、シートベルト着用運動二輪車の昼間点灯運動が推進され、相当の成果をおさめられたと聞いておりますが、全国的に二輪車事故増加傾向にあり、本県においても、スピードの出し過ぎ、運転未熟等による二輪車事故が多発しており、ミニバイクの普及とともにさらに増加することが懸念されます。 そこで、この二輪車安全対策も当面の課題であり、その対応なども含め、今後における事故防止対策について所信をお伺いしたいと思います。  〔警察本部長漆間英治君登壇〕 ◎警察本部長漆間英治君) 交通事故防止対策につきましてのお尋ねにお答え申し上げます。 鏡議員の御質問にもありましたように、昨年は全国的に交通死亡事故が多発をいたしまして、第二次交通戦争の到来を思わせるような情勢の中で推移をいたしました。 本県におきましても、昨年の初めごろから死亡事故が集中的に発生をしまして、一時は前年比の増加率で全国一位になるなどきわめて憂慮すべき事態になりましたが、八月を境に減少傾向に転じまして、以後年末までその傾向を持続することができました。しかしながら、年間を通してみますと、発生件数、死者数、負傷者数ともに前年に比べて大幅に増加をいたしました。加えて交通事故処理中の警察官が殉職をするなど、県警にとりましては、きわめて厳しい一年であったと受けとめております。 そのような情勢に対処するために、昨年は「安全教育を茶の間に」をスローガンにいたしまして、交通安全意識啓発活動を重点に、特にシートベルト着用運動及び二輪車の昼間点灯運動を推進いたしたのでありますが、鏡議員におかれましては、この運動に深い御理解を示され絶大なる御協力をいただきましたことに改めて感謝を申し上げる次第でございます。 さて、御質問の今後の交通事故防止対策についてでありますが、御指摘のように交通を取り巻く環境がますます厳しさを加えつつある中で、交通事故がさまざまな要因が複合的に絡み合って生ずるだけに、これを的確に防止することは、ひとり警察力のみをもってしては困難でありますことは、いまさら申し上げるまでもございません。したがいまして、警察といたしましては、対策の推進に当たりまして、まず第一に、幅広い県民の理解と協力に支えられました確固たる県民的基盤に立脚した交通警察運営に努めてまいりますとともに、関係機関等と密接な連携を保ちつつ、総合的な交通行政の一環として交通警察運営を進めるように配意してまいりたいということを基本にしてこれに当たりたいと考えております。 このような基本的な考え方のもとに、具体的な事故防止対策といたしましては、昨年の交通事故の分析結果から、事故が運転者歩行者等安全意識の希薄化や道路交通環境の未整備等の要因が複合的に作用して発生していると見られますので、そのような実情を踏まえまして、従来の手法の単なる踏襲ではなくて新しい角度から、交通安全教育運転者対策交通安全施設整備交通指導取り締まり等を推進することといたしております。 当面、交通安全意識を高めるために、家庭を中心とした交通安全教育を重点に据えつつ、あらゆる機関、団体を通じて末端浸透を図りますとともに、本県が全国に先駆けて実施をし、相当な効果を上げていると見られます二輪車昼間点灯運動ヘルメット着用運動及びシートベルト着用運動をさらに強力に進めてまいりたいと考えております。 また、道路交通環境を改善するために、道路管理者等との連携による交通安全施設等整備促進を図りますことや交通情勢に対応した合理的な交通規制等の推進にも力を入れてまいりたいと考えております。 さらに、御指摘のように二輪車の激増が新たな事故多発の要因となっておりますので、二輪車対策を重点として取り上げまして、一つには、免許を段階的に取得するように指導すること。免許の段階的取得指導と、原動機付自転車免許取得者に対する技能講習の充実等の措置を推進してまいりたいと考えております。これに加えまして、警察がとれる最も直接的な事故防止手段であります交通の指導取り締まりにつきましても、真に効果的な事故抑止力となるよう適切な運用に配意してまいりたいというふうに考えております。 以上の諸対策を総合的に講ずることによりまして、県民が求めております安全で安らぎのある交通環境の確保を実現し、交通事故の防止に向けて県警の総力を挙げて一層の努力をしてまいる所存でございますので、どうか今後とも議員各位の格段の御指導、御支援をお願いする次第でございます。  〔鏡昭二君登壇〕 ◆(鏡昭二君) ただいま警察本部長の御答弁にありましたように、昨今の交通事故の多発により多くのとうとい人命が失われております。今後なお一層厳格なる姿勢で対処、御指導いただきますよう要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。 次に、野菜の振興について農政部長にお伺いいたします。 本県の野菜は、西南暖地の恵まれた気象条件と、肥沃な土壌を有する平たん水田地帯を初め、地勢、気候の変化に富んだ内陸畑台地域夏季冷涼高原地域、一部無霜地を含む海岸島嶼地域において、それぞれの立地条件を生かした多くの種類の露地野菜施設野菜が周年的に生産されておりまして、その大部分を大消費地に供給するという全国的な大産地を形成しているのであります。中でもスイカ、メロン、トマト、イチゴ、キュウリ等施設野菜は、その施設面積において全国第一位の規模を誇っております。 また、本県農業の中においても、野菜は米に次ぐきわめて重要な地位を占めておりまして、昭和五十七年は栽培面積一万八千四百ヘクタール、生産量四十九万五千トン、粗生産額六百二十八億円となっております。特に宇城地方においては、メロン、トマト、キュウリ等施設野菜の比重が高く、これらが地域農業の中においても、また農業経営の中においても、きわめて重要な役割りを果たしているのであります。 しかしながら、最近の野菜をめぐる情勢をながめてみますと、水田利用再編対策を契機として全国的に作付面積が拡大し、生産が過剰傾向にあることから、価格が低迷している一方で、野菜の消費量は伸び悩み、生産、流通経費は高騰するというまことに厳しいものがあります。特に、施設野菜を主体とする宇城地区の野菜園芸は、最近の消費市場における産地間競争の激化と、暖房費を初め生産出荷経費が年々上昇するという事態に直面し、農家の経営はきわめて厳しい状況に置かれているのであります。 そこで、農政部長にお伺いいたします。このような情勢を踏まえて、県としては、宇城地域の施設野菜を初め本県野菜の振興を図るため、今後どのような施策を推進されようとしているのか。特に、野菜は価格変動が大きいので、農家が安心して生産に取り組めるようにするためには、価格の安定を図ることがきわめて重要であると考えるが、その対策はどのようにされるのか、具体的に御答弁をお願いいたします。 続いて、果樹、農業を取り巻く情勢は内外ともにまことに厳しく、国際的には、さきに開催された日米首脳会議の重要課題となった農産物交渉、すなわちオレンジ及び柑橘果汁の自由化、枠拡大要求の問題、また国内的には温州ミカンの生産過剰対策、生産資材等諸物価の高騰による生産費及び流通経費の上昇等生産条件の悪化とともに、消費面においても、国民経済の停滞に伴い果実の消費が減少する傾向にあり、一人当たり五十年四十九・七キログラム、五十六年三十八・七キログラムと果樹農家の経済はさらに厳しくなることが予想されます。 特に、われわれが重大な関心を持っておりますオレンジ及び柑橘果汁の自由化問題につきましては、日米首脳会議の結果、専門家による検討、協議を行うことで決着を見ておりますが、今後一層農産物の自由化、枠拡大の阻止を図るとともに、国際的競争に打ちかつために産地の再整備をいかに推進するかが重要な課題であります。 本県果樹農業の基幹となる柑橘類につきましては、ここ数年、果樹農家の生産努力と関係機関及び関係団体の指導により消費嗜好に対応した高品質果実の生産が進み、消費市場においても銘柄品として高い評価を得ているところであります。特に過剰基調にある温州ミカンについては、五十四年から全国果実生産出荷安定協議会の指導によって、果樹生産農家が国や県の援助を得ながら自主的にミカン園の転換に取り組み、立地条件を生かした柑橘類や他作目への転換を進め、昭和五十八年の最終年度には温州ミカンの需給目標が達成されると聞いております。 県におきましては、果樹振興基本方針に基づき県内果樹産地の振興を図っているところであると思いますが、今後県内温州ミカン園をどのような計画に基づき産地の整備を推進されるのか、お尋ねしたいと思います。 また、ミカン園転換事業で近年急速に県南地域の産地化が進み生産量の増加を見ております中晩柑類については、全国的にも生産量が急増していることから、生産の見通し及び品質保持並びに出荷調整に必要な貯蔵施設整備についてお伺いをしたいと思います。 さらに、近年宇土市網田地区で研究開発されたネーブルオレンジの施設栽培について、その後県下産地に広く普及され、高品質果実の生産に貢献していますが、県の柑橘施設化に対する基本的考えをあわせて農政部長にお伺いいたします。 また、日米首脳会議の決定に基づき今後専門家の間で協議されることになっております農産物自由化問題については、果樹農家の経営の状況や現在新しい産地化を進めていること等を県におきましても十分御配慮いただき、農産物自由化、枠拡大阻止のために今後とも必要な対策を強力に推進していただきますよう強く要望いたす次第であります。 御答弁をいただいて再登壇いたします。  〔農政部長八浪道雄君登壇〕 ◎農政部長(八浪道雄君) 野菜の振興対策、それから果樹振興対策のお尋ねでございますが、まず野菜振興対策についてお答えをいたします。 野菜の振興につきましては、野菜生産出荷安定法並びに県野菜振興計画に基づきまして、適地適作を基本として、国、県の指定産地を計画的に育成をしてきたところでございます。その結果、スイカ、メロン、トマト、イチゴ等の施設野菜を中心に、大消費地域に安定供給する全国有数の主産県となってまいっております。 しかし、ただいま御指摘がありましたように、野菜をめぐります情勢が厳しい中で、産地間競争は大変激化をいたしております。今後とも本県の野菜が、わが国におきます野菜の供給基地として、野菜農家が安定的に発展していきますためには、全国的な需給動向に基づき計画的な生産出荷体制を整備強化しますとともに、野菜産地総合整備対策事業等によります土地基盤の整備、生産出荷施設設備の近代化等をさらに進めまして、生産性の高い野菜産地を育成していくことがきわめて重要であると考えております。 具体的な対策といたしましては、国の四十八の指定産地と県の七十五の指定市町村を中心に、野菜の生産安定並びにコスト低下、品質向上に重点を置きまして、産地の特性に応じまして土地基盤の整備、高性能機械の導入、省エネルギー施設の整備等生産近代化を初めといたしまして、土層の改良、地力増強施設等の導入によって土づくりを推進しますとともに、優良品種の選定導入、栽培技術の高位平準化を一層進めてまいる所存でございます。 また、野菜は気象条件の影響を受けやすく作柄変動が大きいわけでございますので、作柄安定のため、雨よけ施設等の施設装備をさらに推進してまいる考えでございます。特に、施設栽培を主体とします宇城地方の野菜につきましては、暖房経費等の生産コスト低減が重要な課題でございまして、昭和五十五年、五十六年の二カ年にわたりまして省エネルギー生産技術確立調査事業を宇土市を含めます県下の三市町で実施をいたしました。その節油効果の大きい二層カーテン等の省エネルギー型の施設装備と、省エネルギー管理技術の普及を強力に推進いたしておるところでございます。 流通対策でございますけれども、野菜全体の出荷量は六十一万七千トン、このうち県外に対しまして全体の五三%、県内向けに四七%と相なっております。このように本県は、京阪地域を中心に、遠くは北海道、沖縄等にまで出荷する輸送園芸県でございます。 最近の消費者ニーズが高給化、多様化し、中でも新鮮さが強く求められるなど価値観が大きく転換している今日でございます。こういうことで、熊本県産品としてのブランドを確立いたしますために集出荷施設を整備し、一元集荷多元販売をもとに流通の計画化、円滑化を図りますとともに、鮮度保持のために産地の予冷施設の整備を計画的に進め、さらに冷凍トラックを計画するなど低温流通の体制を整備する必要があると考えております。 幸い五十六年度で小国町農協に予冷施設が導入されました。また、八代市におきましても導入計画の機運が見られておりますなど、県下でも関心が非常に高まってきたところでございます。 今後、県としまして、産地予冷施設の合理的かつ適切な具体的配置についての整備計画を検討し、さらに低温輸送の体系を確立してまいりたいと考えております。また、ダンボールなどの出荷資材の経費節限についての検討を進めておりますほか、産地におきます出荷協議会、消費地におきます消費宣伝等を実施するなどの流通対策を講じておるわけでございますが、なお一層農業団体とも協力して進めてまいりたいと、このように考えております。 次に、野菜の価格安定対策でございますが、野菜は御承知のとおり気象条件の影響を受けやすく、これによります作柄変動が大きいのに対しまして、消費に弾力性が少ないことから価格変動が大きくなりやすいわけでございます。そのため野菜供給のより一層の安定化を図る必要があると考えます。このため、野菜指定産地を中心に、農協、経済連等の出荷団体が行います需給調整会議におきまして、計画的な生産、出荷を推進し、また作柄を安定させますための技術対策の推進を図ってきたところでございます。 さらに、市場におきます野菜価格が低落しました際に、野菜生産農家の経営安定を図る目的を持って、予約量に基づいて価格差補給金を交付する野菜価格安定制度があるわけでございますが、この制度は野菜行政の主要政策の一つとして年々拡充強化を図ってきたところでございます。 昭和五十七年度までにおきます加入予約量は、国指定野菜四万六千七百七十四トン、特定野菜二万四千九十八トンで、合計約七万トンが予約されておりまして、交付準備金として現在三十三億円を造成いたしておるところでございます。 なお、五十八年度におきまして新たに予約量八千トンが追加される見通しでございますが、今後におきましても、行政、農業団体一体となりまして制度の趣旨徹底を図り、価格変動を受けやすい品目を中心に本制度への加入率を高めまして、野菜経営の安定を図ってまいりたいと、このように考えております。 次に、果樹振興対策についてお答えいたします。 果樹農業の振興につきましては、国の基本方針に基づきまして、昭和五十六年三月に公表いたしました第四次の熊本県果樹農業振興計画により、果樹産地の再編成、土地基盤の整備、果樹園経営の近代化に取り組みまして、足腰の強い産地づくりを進めているところでございます。 特に、全国的に過剰基調にあります温州ミカン対策につきましては、昭和五十四年度から全国的規模で実施されております温州ミカン園転換対策事業によりまして、本県でも中晩生柑橘及び他作目への転換を進めておりまして、昭和五十七年度までに千七百七十ヘクタールの転換を図ってきたところでございます。また、本事業は昭和五十八年度が最終年度でございまして、本県においても五十八年度百四十ヘクタールの転換目標面積を達成しますために、関係団体と一体となって努力してまいる考えでございます。これらの転換対策の推進によりまして、ミカンの需給均衡はほぼ回復する基調にあると考えております。 今後は、一万ヘクタールの温州ミカン園の体質改善を進めることが肝要でございます。したがいまして、五十八年度から四カ年間で実施されます国の柑橘園地特別対策事業によりまして、一つには、高品質果実を生産しますため、不良系統から糖度の高い優良系統への高接ぎや改植、密植園の間伐、土づくり対策の基本であります有機物供給施設の設置、二つには、コスト低下のための作業道の整備、湛水防除に必要なスプリンクラー施設の設置、急傾斜地園の改良等、三つには、商品としての一定の格づけを行いますための選果出荷施設や品質保持のための貯蔵施設の整備を計画的に推進してまいる所存でございます。 次に、ミカン園からの転換で生産量が増加傾向にあります中晩生柑橘は、現在――五十六年でございますけれども、甘夏ミカン、ハッサク、ネーブルオレンジを主体といたしまして九万五千トンの生産であるわけでございますが、昭和六十五年には十五万五千トン、約一・六倍の伸びとなる見込みでありまして、果実の品質保持及び計画出荷調整を推進しまして価格の安定を図るため、貯蔵施設の整備が必要であると考えております。 現在、柑橘類全体で貯蔵必要量は二十一万八千トンを見込んでおりますが、この約七〇%の貯蔵施設が現在設置されております。今後は、貯蔵を必要とします甘夏ミカン等の生産が増加しますので、貯蔵施設の整備がより一層必要であり、国の柑橘産地広域整備事業及び柑橘園地特別対策事業で計画的に整備をしていきたいと、このように考えております。 次に、柑橘の施設栽培についてでございますが、現在、加温、無加温、屋根かけの三タイプで六十ヘクタールほどが施設化されておる状況でございます。宇土市網田地区で開発されました施設は、ネーブルオレンジの屋根かけ栽培で、この施設は、開花期におきます降雨、風害を防止することによりまして果実の結実を高め、病害の発生防止、果実の品質向上による高い収益性が実証されております。このため、広く県下一円にこの方法が普及、定着している現状にございます。 今後の施設タイプといたしましては、経済効果の高い屋根かけハウスを原則といたしまして、果実の結実安定、品質向上をより高めることが確実なものを対象といたしまして、省エネタイプを基本としまして、経営の有力な生産手段として、適地に制度資金等を活用いたしまして普及を図ってまいる所存でございます。  〔鏡昭二君登壇〕 ◆(鏡昭二君) ただいま農政部長から、野菜価格の安定対策並びに果樹振興対策、以上二点についてきめ細かい御答弁をいただきましたが、野菜につきましては、生産コストの低減、省エネルギー生産技術の確立等により、いかにして生産を高め品質の向上を図るかが今後の農政の課題であろうと思います。果樹につきましては、厳しい国際情勢を踏まえ、時代に即応した施策と御指導を切にお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。 続いて、有明海における水産業の振興についてお伺いいたします。 有明海は、大小の河川から流入する栄養塩により高い基礎生産力を持ち、古くからノリ養殖業、採貝業とあわせて、釣り、刺し網、小型定置等の漁船漁業も盛んなところであり、県内における漁業の地位も高いものがあります。漁業構造の面から見ると、五十五年の海域漁業経営体は、県全体の四三%、四千七百体を占めており、専業と第一種兼業を合わせて五二・六%が漁業を主として生計を維持している現状であり、一方、漁業生産の面から見ても、海面漁業と養殖業を合わせると県全体の五五・八%の八万七千トンがこの海域から漁獲され、県内における地位は非常に高いものがあります。 しかしながら、有明海における漁業生産量は五十二年をピークに減少傾向にあります。これは全体の八〇ないし九〇%を占めているアサリの減少が主たる原因で、五十六年は五十五年に比べ、アサリ一万四千トン、タイラギ八千三百トンと大幅に漁獲が減少しております。アサリの漁獲量の減少は、漁業協同組合等の漁獲量の自主規制、漁獲サイズの指導等による資源保護と漁場管理の徹底による点も多いと思いますが、漁場環境の変化にも起因するのではないかと思います。アサリの増産対策を真剣に考える時期に来ていると考えるのであります。 ノリについても、五十七年は四十七年以来の不作で、漁業者としても先行き非常に不安があるのではないかと考えていますが、生産安定対策、品質向上対策等積極的な施策の展開が必要と考えております。 今後の漁業経営は、ノリ養殖業に加えて比較的生産の安定している採貝業、漁船漁業等との複合経営により漁家経営の安定を図るべきだと考えます。また、ヒラメ、クルマエビ、ガザミ等の有用魚介類の放流は毎年実施されておりますが、継続して大量に放流して初めて放流の効果があらわれるもので、栽培漁業の積極的な推進による資源の維持培養が必要であります。 県におかれましては、各種の公共事業の導入による漁港の整備、漁場の整備等生産基盤の整備と栽培漁業の振興に積極的に取り組まれ、地域の水産業振興に御協力いただいており、その成果は関係漁業者とともに期待しているところであります。 そこで、有明海における水産業の振興、特に同海域の漁獲量の二割強を占める宇土地先について、今後県の具体的な施策を林務水産部長にお伺いいたします。  〔林務水産部長伴正善君登壇〕 ◎林務水産部長(伴正善君) 宇土地先の水産業の振興についてお答えいたします。 有明海の水産業の振興は、基本的には広大な干がたを背景にしたノリ養殖業とアサリを主とする採貝業、漁船漁業の組み合わせの中で考えるべきだと考えております。そのためには、恵まれた漁場環境条件を生かした中での漁場整備、漁港整備等の生産基盤の整備とともに、沿岸漁業構造改善事業の推進、栽培漁業の積極的な展開により漁家経営の安定を図ることが必要でありまして、これらのことを基本に有明海の水産業の振興を進めているところであります。 まず、漁場整備につきましては、年次計画によりまして、マダイ、スズキ、ヒラメなどを対象といたしまして魚礁漁場の造成を行い、漁場の生産性を高め漁獲量の増大を図っているところであり、宇土地先でも毎年継続して漁場の造成のために並み型魚礁設置事業を実施しているところであります。 漁港の整備につきましては、五十七年度から六カ年計画でスタートした第七次漁港整備計画に基づき整備を進めているところでありますが、宇土市の赤瀬漁港は拠点漁港として修築事業で、住吉、長浜漁港につきましては局部改良事業により施行中であります。網田漁港につきましては、船揚げ場、泊まり地のしゅんせつを現在検討いたしております。 次に、沿岸漁業構造改善事業では、宇土市は五十四年度に地域指定を受け、五十五年度から事業実施中でありますが、漁業者の自主的な資源の培養、管理を進めるため、研修会の開催、資源及び漁場の調査等の活動事業を二カ年間実施したのを手始めに、五十六年度ではノリの屋内人工採苗施設を設置し、ノリの品質向上のため優良な種苗の確保と安定供給に努めているところであります。 また、潮待ち時間及び漁場への往復時間の短縮と、漁業生産物、漁場資材の搬入搬出の利便を図るため、宇土地先では五十七年、五十八年度に海床路施設を設置しまして、漁家経営の合理化を図りたいと考えております。 なお、新沿岸漁業構造改善事業は、いまのところ六十一年度までの七カ年間実施される予定でありますが、今後の具体的な事業計画につきましては、宇土市及び地元漁協等と協議しながら策定してまいりたいと考えております。 また、有明海の主要漁業である採貝業の安定と拡大を図るため、アサリを対象に増殖場造成事業を城北で現在二カ所実施していますが、これらの結果を踏まえまして、宇土市地先についても事業化の可能性を今後検討していきたいと考えております。 次いで、栽培漁業の推進でありますが、この海域には毎年、マダイ、ヒラメ、クルマエビ、ガザミ等を継続的に放流し、資源の増大に力を入れているところでありますが、さらに放流効果を高めるとともに栽培漁業の地元への定着を図るため、クルマエビなどを対象に栽培する漁業も計画して進めていく所存でございます。  〔鏡昭二君登壇〕 ◆(鏡昭二君) ただいま林務水産部長より詳細なる御答弁をいただきまして、今後とも有明海の漁業振興について適切なる御指導、対応策を心からお願い申し上げ、次の質問に移らせていただきます。 地域商店街振興対策、特に大型店の進出に対応する地元商店街の近代化対策について御質問を申し上げます。 国内経済の不況の長期化とともに小売業を取り巻く経営環境も一層深刻な現状になっております。県内においても実質所得の目減りなど長引く消費不況に加え、消費者ニーズの変化や大型店の進出によって地域の中小商店は軒並みに売り上げは減少し、商店主は経営の維持に日夜苦慮している現状であります。  〔議長退席、副議長着席〕 地域経済社会の円滑な発展のためには、地域の消費者需要を的確に充足させる地元商店、商店街の役割りは非常に大きなものがあります。また、現在の商店街は、各地域の商業関係者がそれぞれの歴史と風土の中で営々辛苦して築き上げてこられた成果であり、一朝一夕に形成されたものではありません。現在でも地域住民の好みを一番よく知り尽くしている人たちであると考えます。 地域中小商店の経営安定及び向上を図るためには、社会経済情勢の変化に耐え得る強固な経営基盤を確立するとともに、消費者の多岐にわたる要望をより満足させる魅力ある商店街づくりが必要であると思考いたします。このためには、地域全体の商業近代化プランのもとに、地域商業の核となるような大型店舗と高度な専門店とがそれぞれ相互に機能を分担しながら調和し、かつ一体化する商店街の構成と、アーケード、街灯、駐車場等の商業環境の整備を実現し、消費者に対し快適性、便宜性、文化娯楽性を十分に提供することによって、近代的かつ総合的な顧客吸引力を持つ町づくりを推進すべきであると考えます。 ところで、現在宇土地域においても、宇土駅前に大手資本と地元商店がタイアップした大型店の出店が計画されており、地元商業界に少なからぬ波紋を投げかけているところであります。また、大型店対策として、地元中小商店主が結束して――これは宇土市においては第二店目となるわけですが、いわゆる高度化事業利用による共同店舗の建設計画が構想されているなど、宇土市商業界においても近代化の機運が高まりつつあるのは喜ばしいことでございます。 しかしながら、本県小売業者の九九%以上が中小小売業者であるように、宇土市の小売業者もその脆弱な経営体質から、経済的、時間的に全くと言っていいほど余裕がないのが実情であり、今後の社会経済情勢の変化に対応すべく体質強化、基盤強化に取り組む必要性を痛感しながらも、近代化計画や高度化事業に参画できない状況にあります。 県におかれては、県内中小小売業の振興策として、各種の診断指導事業、所要の融資制度、また高度化事業として商店街改造、共同施設、共同店舗事業などを推し進めておられるところですが、今後とも県下各地域で、それぞれ異なる商業事情に即して、地域全体としての発展、繁栄を考慮しながら、業界指導や制度、施策の展開をさらに強固に図っていただく必要があると存じます。 また、基盤の弱い県下中小零細企業の現状打開のために特に地域の中小零細小売業者が組織化し、地域ぐるみで近代化を実現する共同化事業による対応が最も有効であり強力に推進さるべきであると考えますが、そのためには、県からの強力な指導と、特に細々と営業している小規模零細企業には特別な配慮が必要であると考えます。 今後、これら中小小売業者及び商店街に対し、どのようにして高度化事業を積極的に推進していかれるのか、商工観光労働部長に御答弁をお願いいたします。 答弁をいただいて再登壇いたします。  〔商工観光労働部長蓼沼朗寿君登壇〕 ◎商工観光労働部長(蓼沼朗寿君) 地域商店街振興対策についてお答えを申し上げます。 県内小売業の大部分を占めます中小の地元商店、商店街は、県経済の活力維持に大きな役割りを果たしており、その健全な発展が、今後の本県経済社会の安定的発展には不可欠なものであるということは十分承知いたしております。 地域の商店、商店街にとりましては、現在長引く不況あるいは大型店出店問題といった経済問題がありますし、そのほか特に最近におきましては、商店街の機能につきまして、従来の単なる買い物の場というものから、安全で快適でそして楽しめるムードのある魅力的なショッピング広場といった機能が要請されてきております。その意味では、商店街が町づくりの一つの拠点となるよう、いわゆる社会的役割りが要請されてきていると言えるのではないかと思います。このような商店、商店街に対します地元住民の意識の変化によりまして、商業活動においても、その高度化、多様化が求められているのが現状でございます。 このような変化に対しまして、県内の商店、商店街が今後とも的確に対応して発展していくためには、基本的には、立ちおくれています商店街の環境整備を行い、近代化、高度化することによりましてその体質を強化していくことが重要であると考えております。 そこで、御質問でございますが、地域全体の発展、繁栄に向けての商業施策をどのように展開するかということでございます。 商店及び商店街というものは、本来その地域に深く密着しておりまして、そういう特性を持っておりますところから、県といたしましても、地域全体の振興を図るという観点に立ちまして、市町村計画等の地域計画と商業近代化プランをマッチさせるよう、商店街診断あるいは広域商業診断を行うなどして従来から意を配してきているところでございます。 特に、最近におきます大型店の出店問題につきましては、大規模小売店舗法あるいは県の要項によりまして商調協制度等を活用しまして、中小小売業者の商業活動の機会が適正に確保されるよう、さらに地域全体として繁栄、発展が図られるよう、地元の意見を十分に反映してその対策を進めるよう指導しておりますし、今後も指導していきたいと考えております。 第二に、大型店対策としての高度化事業の問題でございますが、御指摘のように、力の弱い中小小売店が共同して対応していくことが最も有効であろうということでございます。私の方もまさにそのように考えております。したがいまして、県といたしましては、これまで以上に共同化、グループ化を進めまして、高度化事業を積極的に展開してまいりたいと考えております。 高度化事業を進める際に、経済的、時間的余裕がない特に小規模零細小売業者が問題になるわけですが、これにつきましては、現在中小企業振興公社が行っております店舗づくりに当たって、計画から入居まで全工程にわたって代行するいわゆる商業アパート制度、あるいは小売商業店舗共同化事業を中小小売商業振興法によりまして知事が認定いたしますと助成制度が非常に有利になる、そうした優遇制度がございますので、これを積極的に活用いたしまして小規模零細小売業者の便宜を図ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、県内中小小売業者が今後のこうした時代的な変化に対応してその商業を発展させていくためには、地域の中小企業小売業者の皆様御自身の自助努力が前提でございますが、県、市町村あるいは商工関係団体が一体となりまして、魅力ある商店、商店街づくりを進めていきたいと考えております。  〔鏡昭二君登壇〕 ◆(鏡昭二君) ただいま商工観光労働部長から詳細にわたり御答弁をいただきました。依然として厳しい経済情勢が続いております。今後とも中小零細業者に対するきめ細かい御指導と対応策を心からお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。 次に、宇土地域の道路整備促進について土木部長にお尋ねをいたします。 近代社会の大動脈と言われる道路につきましては逐次整備が進められておりますが、私どもは感謝とともに大いに期待いたしているところでございます。御承知のとおり、産業を開発し、生活の基盤を充実させるためには、道路の整備促進こそ最も重要であります。私は、過去において、道路整備のいかんによって、地域の栄枯盛衰がどのように展開されてきたかを十分に承知いたしております。 ところで、本県の産業、観光面における幹線道路である国道三号及び五十七号が交差している宇土市におきましては、九州縦貫自動車道松橋インターの開通も重なり、近年特に車両の通行が増加しておりますが、その結果、交通の渋滞が著しく交通の隘路となっている現状であります。 この対策として、国道三号松橋バイパスが計画され、現在松橋町地区において工事が進められております。宇土地区においても、昨年計画決定がなされ実施計画が進められているところでございますが、計画の現状と事業実施の見通しについてお伺いをいたします。 次に、熊本市と宇土市を結ぶ国道のバイパスとして、また熊本新港の建設に伴い有明沿岸地域の開発が進められ、今後ますます交通の重要幹線としての色彩が濃くなる主要地方道大牟田熊本宇土線の整備についてでございます。 地域住民が長年待ち望んでいました緑川の平木橋のかけかえにつきましては、昨年から着工していただき現在すでに二基の橋脚が姿をあらわしております。関係者の皆様の御努力に対しまして、地元住民とともに深く感謝いたしますとともに喜びにたえないところであります。この橋梁が一日も早く完成するようお願いいたします。 この路線に関連いたしますが、浜戸川の太郎兵衛橋から国道五十七号までの区間においては、未改良であり、幅員も狭く交通支障を来している現状であります。宇土市では街路事業として、市の中心部から高柳町の国道五十七号に接続するよう計画され、現在事業が進められていると聞いておりますが、新平木橋とこの街路事業とを結ぶバイパスを走潟地域に計画することにより、宇土市の中心部から熊本市を直接結んだ一本の新しい道路として、交通の混雑解消を図るばかりでなく地域の開発に大きな効果があると確信し、ここにバイパスの整備計画を提案いたしたいと考える次第であります。平木橋かけかえの早期完成はもちろんでありますが、国道五十七号との接続を含めた全区間の道路整備計画と今後の見通しについて土木部長に御答弁をお願いいたします。 次に、河川につきましてお尋ねいたしますが、浜戸川、潤川、網津川及び網田川についてお伺いいたします。 御承知のとおり、宇土市は緑川河口左岸に開けた田園都市であります。しかしながら、国道三号線と国道五十七号線とが交差する交通の要衝にあり、なお中心都市熊本市に隣し、通勤圏等最もかっこうな場所に位置していることから、最近では住宅団地、工場、市場などの建設が著しく進んできているところであります。このようなことから、これまでの水田地帯の宅地及び工場化、また高級施設園芸作物への転換等、排水の整備が緊急かつ重要な課題となってきているところであります。 昨年七月の梅雨前線による豪雨出水は、近年になく県下全域にわたるもので、その被害はまことに甚大なものでございました。宇土市も例外ではなく、浜戸川を初め各中小河川が要所要所においてはんらんし、また内水排除の困難性も手伝って、国道五十七号線を初め県道、市道等主要道路が交通どめとなるなどまことに無残なありさまで、宇土市だけでも家屋の浸水一千五百九十二戸、田畑の冠水一千三百ヘクタールに及び、その異常さは実に湖面を思わせるような状況でありました。したがって、主要作物のたばこを初めとして農産物の被害額は約十一億一千六百万円にも達する莫大なものとなっております。 このように河川の整備が思うように進まぬ状況から、湛水防除事業の一環として、松原ポンプ場、硴江ポンプ場、築籠ポンプ場を設けて浸水時の排水に努めております。また、宇土駅付近の排水対策として、準用河川大坪川の改修を進めるとともに、網津町においては準用河川大谷川の改修等を進めるなど、地元市においてもいろいろと排水対策を考えているところであります。しかしながら、幾らポンプ場をつくって排水しても、河川からの溢水、はんらんに対応することはとうてい困難であります。 内水の排除については、宇土市一帯が低平地で有明海の感潮区間にあり、最終的にはポンプ排水に頼ることとなりますが、水害防除の根本策としては、河川改修により溢水を防止することが最も重要な課題となっております。 浜戸川につきましては、流域の市町村で改修促進期成会を設立して、国、県に対し改修の促進方を訴えているところであります。なお、咋年七月の豪雨出水による災害については、現在、県、市町村において復旧工事が急ピッチで進められており、感謝を申し上げるとともに意を強くしているところであります。 そこで、浜戸川、潤川、網津川、網田川等、宇土市を流れている主要河川の改修計画はどのようになっているか、現状と今後の対応についてどう考えておられるか、土木部長にお伺いしたいと思います。  〔土木部長三原節郎君登壇〕 ◎土木部長(三原節郎君) 道路網の整備促進と河川改修の促進につきましてお尋ねでございますが、まず道路網の整備促進についてお答えいたします。 御質問の第一点の松橋バイパスにつきましてでございます。 一般国道三号は、本県における産業経済上きわめて重要な幹線道路でございますが、一般国道五十七号と交差する宇土市松原から松橋町に至る区間は、特に人家密集地区を通過し、年々増加する交通量に対処できず、恒常的な交通渋滞を引き起こしていることは御指摘のとおりでございます。 そこで、建設省におきましては、このような状況を抜本的に解決するため、松橋町地内の熊本県松橋自動車試験場前から宇土市地内の一般国道五十七号交差点に至る延長約六・七キロメーターのバイパスを計画し、鋭意その促進に努力されているところであります。 現在までの進捗状況は、熊本県松橋自動車試験場前から一般国道二百十八号までの延長約一・三キロメートルにつきましては、すでに開通を見ているところであります。松橋町地内の残り約二・三キロメーターにつきましては、現在用地買収及び工事を実施中でございますが、昭和五十七年度末には用地買収で約八六%、工事で約三〇%の進捗状況となる見込みであります。 次に、昭和五十七年七月に都市計画決定されました宇土市内の延長約三・一キロメーターにつきましては、昭和五十八年度から用地買収に着手できますよう、現在関係者に対しまして計画説明が行われているところであります。県といたしましても、本バイパスの重要性につきましては十分認識しておりますし、今後とも事業促進について関係各位の御協力を得ながら積極的に国に対して要望してまいる考えでございます。 次に、第二点の主要地方道大牟田熊本宇土線についてでございます。 本路線は、有明海沿岸地域開発のため、また熊本港建設に伴う関連道路といたしましても、その整備の必要性につきましては十分認識しているところでございます。 そこで、未改良区間のうち特に老朽化の激しい平木橋をかけかえることにいたしまして、天明町から新平木橋を含めて宇土市の走潟に至る延長約二・八キロメーターのバイパスを計画しまして、昭和五十六年度から着手しましたし、現在関係者の御協力を得ながら用地買収を進めていますとともに、昭和五十七年七月には新平木橋の建設に着手したところでございますが、今後とも早期完成に向けてさらに努力してまいる考えでございます。 次に、御提案の走潟地区と宇土市の街路を直接結ぶバイパス建設でございますが、本路線の沿岸道路としての性格あるいは宇土市と熊本市を結ぶ動脈としての観点からも、このバイパス建設が将来果たす役割りは非常に大きなものがあると考えられますので、御提案の趣旨を十分踏まえまして、今後実現できますよう検討してまいりたいと考えております。 次に、河川の改修についてお答えいたします。 宇土市は、地形的に宇土駅付近の標高が三・六メートル、国道五十七号緑川駅付近は標高二・四メートル、水田の標高は二・〇メーター程度でございまして低地帯となっております。これに対しまして有明海の平均満潮位は二・五メーターでございまして、洪水時の浜戸川、潤川、網津川等の水位を考えますれば自然排水はとうてい困難な状態にございます。このため、各河川とも防潮水門を設けまして、堤内地の湛水はポンプ排水に頼らざるを得ない状況にあることは御承知のとおりでございます。 まず、浜戸川でございますが、県管理区間の改修では、現在まで約三十六億円を投じ、浜戸川橋や安永川樋門などの構造物の改築と、築堤や護岸工などを実施し、鋭意進めているところでございます。 また、硴江ぜきより下流の建設省直轄区間におきましては、堆積土の掘削等を実施し、低水路の整備を進めていますが、浜戸川の排水効果を増すためには、まず硴江ぜきの改築が先決でございまして、県といたしましても、国に対しその促進方につきまして強く要望しているところでございます。 次に、潤川についてでございますが、御案内のとおり川幅の拡幅を主体とした改修計画により事業を進めましたが、用地の買収が難航し、中止せざるを得なかった経緯もございます。したがいまして、これまでは漏水を防止する工事を実施するなど堤防補強に努めてきたところでございますが、今後も引き続き実施してまいりたいと考えております。本河川の改修計画は、建設省が別途計画している河口潮どめ樋門の位置とその工事施行時期との関係があるため、建設省とも十分連絡をとりながら検討してまいりたいと考えております。 網津川につきましては、五十年度まで河川局部改良工事で実施してきたところでございますが、この河川には、潮どめ水門、鉄道橋、国道橋などの改築を必要としますし、事業費がかさむこと等から、昭和五十一年度から小規模河川改修事業として事業の進捗を図ってきたところでございます。本河川のネックとなっている河口潮どめ水門の改築につきましては、ようやく用地が解決いたしましたので、昭和五十七年度には一部着工し、その工事の完了につきましては、いまのところ昭和六十一年度を予定しております。今後は、鉄道橋などの構造物が残されていて事業完成までには相当年数がかかると思われますが、予算の増額を図りながら事業の進捗に努めてまいりたいと考えております。 最後に、綱田川についてでございますが、国道五十七号から下流につきましては、河川局部改良工事等により概成しておりまして、河口の老朽樋門についても改築補強を実施したところでございます。中上流部につきましては、局部的に単県河川改良費及び掘削費等を投じてネック個所の解消に努めていますが、今後とも引き続き実施してまいりたいと考えております。 以上、主要河川の現状とその見通しについてお答えいたしましたが、予算的にも非常に厳しいときにあり、莫大な用地も必要としますので、関係各位の御努力を得ながら改修の促進を図ってまいる所存でございます。  〔鏡昭二君登壇〕 ◆(鏡昭二君) ただいま土木部長から現在の進捗状況等について御答弁いただきましたが、時代に即応した道路網の整備が緊急な課題であります。また、網津川、浜戸川、潤川、網田川の改修、あわせて早くできますことを要望いたします。 以上で私の質問を終わらせていただきますが、選挙も間近でございます。全員が当選されるようお祈りいたしますとともに、今期で後進に道を譲られる諸先輩議員の方々の長い間の御労苦に対して心から感謝を申し上げます。 細川県政のスタートに当たり、県民の負託を背負っての御精進と御発展、また県職員の皆様の御健康と御活躍を心からお祈り申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(井ノ上龍生君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明六日は日曜日のため休会でありますので、会議は明後七日午前十時から開きます。日程は、議席に配付の議事日程第六号のとおりといたします。 本日はこれをもって散会いたします。  午前十一時五十二分散会...